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ニュースアプリは本当に価値ある情報を流せているか

奥村倫弘 [ワードリーフ 代表取締役社長] 【第1回】 2015年5月14日
ダイヤモンドオンライン
http://diamond.jp/articles/-/71464
電車に乗っていると、多くの人たちがニュースアプリを使ってニュースをチェックしているのを見かけます。30~40歳代の人だと、新聞を広げてニュースを読む光景は馴染みでしたが、両腕を広げなくても手のひらのなかでニュースが読めるようになりました。

 また、ここ数年のうち、その手に握られているスマートフォンにも変化がありました。少し前は、SafariやGoogle Chromeといったスマートフォンのウェブブラウザを使ってニュースを読むのが常だったのですが、アプリを使ってニュースを読む人たちが増えてきたのです。2012年12月に「スマートニュース」が、翌年1月には「グノシー」が登場しました。本当、つい最近のことですね。2015年現在、前者は「ついに1000万ダウンロード突破!」、後者は「900万ダウンロードを突破」とうたい、破竹の勢いを強調しています。

 これら2つのアプリのほか、Yahoo!ニュースアプリやLINE NEWSアプリ、NewsPicksアプリも含め、「誰がヤフトピを倒すのか?」「ダウンロード数はどのサービスが一番なのか?」といった商業上の競争とその勝者を追いかけるニュースが日々伝えられています。この動向に注目するのは、メディアやマーケティングの関係者らで、この競争を「ニュースアプリ戦争」と呼ぶ向きもあるようです。

 もちろん、ビジネスとしてニュースアプリを展開する以上、商業上の成功は避けて通れないポイントですが、ダウンロード数だけでなく、「どのアプリが最も有益な情報を流しているのか?」という観点からはほとんど語られていないことも事実で、「ネットジャーナリズムの光と影」を語るうえで、無視できないポイントです。“ネットジャーナリズム”に何が起きているのか? 少しのぞいてみることにしましょう。

「ニュースを選ぶ側」から「ニュースを作る側」になって見えたこと

 私は、今、長く務めたヤフー・トピックスの編集責任者の座を退いて、THE PAGEというニュース解説サイトの運営をしています。それ自体は、普通のサラリーマンにある人事異動なのですが、ネットニュースにおいて果たす役割がまったく違うものになることは、はじめから意識をしていました。
ヤフー・トピックスは、200を超えるコンテンツプロバイダーから何千本という記事を買い集め、そのなかから有用な記事をピックアップして掲載する「キュレーション」サービスです。一方、THE PAGEは、自分たちで取材や編集をして記事を作り、ヤフーなどのポータルサイトやニュースキュレーションアプリに作った記事を売る「コンテンツプロバイダー」です。言ってみれば、キュレーションは流通を、コンテンツプロバイダーは生産を担っているという役割の違いがあるわけです。

 寒の戻りがあった3月の夜、古くから付き合いのある出版社系ウェブメディアの編集者と会食をする機会がありました。お酒が十分に回ってきたころに、彼はこう口を開きました。「ニュースキュレーションサービスって、本当に私たちの記事の価値を分かってくれていますかね?」と。そして、残念そうにこう続けました。「何もうちの記事を取り上げてほしいと言っているわけではないんです。ラインアップを見るとね、なぜその記事を取り上げたのか首をかしげることが多いと感じるんですよ」と。

 THE PAGEでも、彼と同じことを感じることがあります。何日、何時間をかけて取材をした記事よりも、ものの数十分かで書いた記事の方がキュレーションアプリにピックアップされることはよくありますし、同じテーマの記事でも、うちの方が内容も濃いと思っているのに他社の記事の方がピックアップされていると悔しい思いをすることもあります。

 私は「ニュースを選ぶ側」から、「ニュースを作る側」に回ったことで、彼が言わんとしている問題意識を実感として共有できるようになりました。「なぜその記事を取り上げたのか首をかしげる」。彼の言葉は、ニュースキュレーションアプリ全体を見た時に、確かにそのとおりなのです。

ニュースキュレーションは
学芸員の役割を果たせているか

 2011年に筑摩書房から『キュレーションの時代』を出版されたジャーナリストの佐々木俊尚さんによると、キュレーションというのは「情報を収集し、選別し、意味づけを与えて、それをみんなと共有すること」であり、ジャーナリズムの役割というのは「それがもたらす社会的影響や未来像について読者にわかりやすく提示すること」だとされています。
キュレーションをする人、つまりキュレーターというのは、博物館や美術館の学芸員のように、常設や企画展において、展示する収蔵品が、どのような意義や価値を持つのかを意図をもって、言葉で説明できる人のことを言います。このキュレーター、キュレーションという言葉に忠実に基づくと、ニュースキュレーションに携わっている人たちは、記事をアプリに掲出する際、その記事が今の世の中や社会に、どういう意義や価値があるのかを説明できるはずです。なぜなら、それが本来、キュレーターに期待された役割なのですから。

 今年4月14日、「Web担当者Forum」というサイトに「SmartNewsのニュース選定のアルゴリズムってどうなってるの? 裏側を聞いてきた」という記事が掲載されました。スマートニュースのマーケティングディレクターを務める松岡洋平さんへのインタビューです。

 Web担当者Forumの編集者は「良質な情報の定義とはどんなものでしょうか」と質問します。松岡さんは「ユーザーの行動を反映させて良い情報とは何かを決めています」と説明し、「人が情報の良しあしを判断するということは基本的にありません」と同社のロジックを明かしていました。また別の話ですが、私が動画運営サイトの担当者に「御社が言う良いコンテンツとは何ですか?」と聞いたところ、彼は間髪入れずに「閲覧数が多い動画ですよ」と答えていました。

 つまり、ニュースをピックアップするにあたって、その記事の中身にどういう意義や価値があるのかよりも、ユーザーの行動に重きを置くサービスが存在するということです。「どれだけ読まれたか」だとか「ユーザーの行動を反映」して、ニュースを選定すること自体は、プログラム上のロジックで良くも悪くもありませんので、悪く言うつもりは毛頭ありません。しかし、学芸員が果たすような、本来的な意味と役割で「ニュースキュレーション」なのかというと、そうではないと言えます。

 いまの世の中、とりわけニュースアプリ業界周辺で使われている「キュレーション」という言葉は、意義付けや価値を伴うような意味はなく、単に「ピックアップ」を格好良く言ったくらいの意味でしか使われていないケースがあるということには、注意が必要です。

このままでは“価値あるニュース”が ネット上から消える

 フランス・パリにある「ルーヴル美術館」を訪れたことがある人はお分かりになるでしょう。『ミロのヴィーナス』と『モナ・リザ』の前には黒山の人だかりができています。同美術館には3万5000点の収蔵品があるそうですが、これらの収蔵品の美術的価値はユーザーの行動によってのみ判断されるべきものでしょうか? そうではありません。
 キュレーターが収蔵品の価値をひとつひとつ丁寧に説明してくれることで、私たちは収蔵品の新しい価値に触れ、美術の世界について理解を深めることができます。キュレーターに求められる役割と責任は非常に大きいものです。
 キュレーターによるニュースの価値判断というのは、これに似たような側面があります。閲覧数やシェア数だけで判断はできないのです。少なくとも、数あるニュースのなかから、ニュースを厳選している限りは、ニュースを選定する側に、その記事の価値が説明できなければなりません。
 そういうわけなので、先に紹介した「ニュースキュレーションサービスって、本当に私たちの記事の価値を分かってくれていますかね?」というベテラン編集者の言葉は、キュレーターが存在しないこと、あるいは記事の価値を判断するキュレーターが存在していても、コンテンツプロバイダーからは、その判断に疑義がつき始めているということなのです。
 記事の価値が分かってもらえないのであれば、とばかりに「ネットには、なんてことのない記事を配信しておけばいいんですよ」という半ば投げやりな発言も聞こえ始めてきています。私はこれと同じ内容の言葉を、短期間のうちに複数のコンテンツプロバイダーから聞きました。「記事の価値が分からないのに、価値ある記事をキュレーションサービスに提供する意味があるのか?」と言い始めているのです。これまで矜恃を持って、良い記事を配信してきたコンテンツプロバイダーも、その質を変えてきました。

 Yahoo!ニュースをはじめ、スマートニュース、グノシー、LINE NEWSといった「ニュースキュレーション」アプリが、何百万、何千万ダウンロードを競っているということは、これらのアプリが私たちの生活の一部になっているということと同義です。それなのに、私たちの生活が「なんてことのない記事」で満たされている時代がすぐそこにあるとしたら? 嫌な予感がしませんか?

the page
http://thepage.jp/docs/info/index.html
株主ヤフー株式会社

米ヤフー、ヤフージャパン株売却の方針を表明
http://www.marketnewsline.com/news/201504231756000000.html
marketnewsline 4/23 17:56
米ヤフー(Yahoo)のマリッサ・メイヤーCEOは21日、保有する日本のヤフー <4689> 株の売却を進めるためにアドバイザーを採用したことを発表した。
米ヤフーは日本のヤフー の発行株式の35.5%を有し、ソフトバンクの36.4%に次ぐ、第二位株主となっている。
米ヤフーによる全保有株の時価総額は1兆円超にも達することともなり、売却を行うにしても売却先は限定されているといった見方が強い。
22日付けのウォールストリートジャーナル紙では、売却先候補としてソフトバンク <9984> と日本のヤフーが自社株買いとして買い戻すという2つの選択肢があると指摘している。
しかし、ソフトバンクの場合、通信事業の事業運営のために巨額の有利子負債を抱えている一方で米ヤフー保有の日本のヤフー株が他社に売却されてしまった場合、ソフトバンクの事業運営上、密接なつながりをもっているヤフーとの連携が困難となる可能性もあり、ソフトバンクにとってヤフー株を取得するかどうかは、きわめて難しい決断になりそうだ。
もうひとつの候補となる、日本のヤフーは潤沢な現金を有しているが、発行株式の35.5%にも達する巨額の自社株買いを実施は、もっと他に有効な資金の投資方法があるのではないかとする投資家の反発を招くことが懸念されている。
いずれにせよ、米ヤフーが日本のヤフー株の放出を意向を表明したことは、今後の日本のヤフーやソフトバンクの経営に大きな影響を及ぼすことになりそうだ。
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